食品加工機構
出典: SGK_Wiki
食品加工機構
グルメ時代を反映してか,種々の原材料を手早く加工して供給する必要が増している.その一方,ともすれば加工現場は3Kの類に属するとみなされ,作業者も減少の一途を辿る傾向にある.結局,老人,主婦に依存せざるを得なくなっている.このような中で,作業負担を極力減少させるべく種々の機構が考案されている.今後とも,多くの職場で類似の機構を開発する必要があると考えられるので,幾例かを紹介する.参考にしていただきたい.
図1は,鶏卵をきれいに割る機構.

鶏卵を割るためには,外殻の外周に沿って,細い切溝を入れる必要がある.そのために,卵の搬送機構および溝入れ機構にに工夫を要する.卵の大きさに合わせて同一軸上に,ある一定距離だけ離して,2枚の小円版を取り付ける.これを一組としたものを,多数チェーンにてエンドレス連結させる.この円板上に任意状態で卵を載せると,搬送途上で自転しながら,卵の長手方向が円盤を取り付けている軸と同一の方向に並び変わる.この機構は,卵のみならず,長軸,短軸を有する物体であれば適用できるので注目される機構である.並び替えられた卵は,ダイヤモンドカッタで切溝を入れるべく,2枚の回転円板の周に沿って取り付けられたゴム製吸盤で挟持される.このゴム製吸盤は,卵がちょうどエンドレスチェーンの端の位置まで搬送された時点で,真空装置により両側から挟み込むように駆動される.さらに,この吸盤の円板への支持軸には,もう一工夫がなされており,その端部にピニオンギヤが取り付けられている.吸盤がカッタ部にまで到ると,カッタの脇に設置されているラックギヤとかみ合って,吸盤および卵に強制的に自転を加える.これによって,卵の外周に沿ってきれいに切り溝が入れられる.
ラックギヤの方は,カッタ位置に呼応して,揺動されるようになっており,卵とカッタとが最初に接触した時点(切込みが始まる時点)から,外れる時点(切り込み終了の時点)まで,一様な接触が保たれるように制御される.この部分が本機構の中枢である.切り込み終了と同時に,吸盤は左右に開けられ,外殻を残し,中身が容器中に落下する.さらに,円板が所定の位置にまで回転すると真空が解除され,外殻が外殻集容器に落とされる.このようにして,一連の作業が終了する.図2は,鮭のエラ取り用6軸ロボット機構.

魚体の押さえ装置,エラ蓋の起こし装置,エラの切断装置などからなり,それぞれは計算機にあらかじめ登録されたパターンに従って駆動される.魚体は大小さまざまであるので,それをまず,体厚センサ,頭長センサによって計測.そのデータより,切り出し起点の情報を探索,適合する経路情報を出力する.この情報により,エラ蓋起こし装置,エラ切断装置を駆動するというもの.
図3は,カニの足皮剥き機構.

カニ足の身を包んでいる赤い薄皮を残し,肉を崩さず外殻だけを切り取る機構.切込みを正確にするため,鉋の場合よろしく,相手材(カニ足)に応じて押さえ力を調整できるようにするとともに,刃の出し具合を調整できるようにしている.と同時に,刃が相手材に対して斜めに切り込む形式となるようにも配慮している.そのため,機構は,以下のような構成をとっている.エアシリンダで駆動される一連の足押さえ板.足を乗せる移動式まな板.これは,スクリュー式の直動案内に取り付けられている.包丁の刃を持ち上げ,適切な角度に設定する機構.これは,エアシリンダを組み込んだカム機構により駆動される.刃を左右に動かし,相手材にあたかも斜め方向から切り口を入れるための包丁移動機構.やはり,エアシリンダにより駆動される.この機構は,包丁の動かし方をうまく再現,そこへ切り込みに関する多くのノウハウを重畳させて実現できたもの.
図4は,大根の皮むき器.

大根を縦方向にして押さえ,装置の下部にセット.大根は図4(b)のような機構で周方向から指示される.すなわち,エアシリンダにより,リンクが回転させられると,リンクを取り付けている円盤が回転.円盤中に設けた溝に沿って,大根押さえ用のパッドの支持ピンが移動するため,結果的にパッドが開いた形となり,大根の側部を受け入れる.エアシリンダを逆方向に移動すれば,パッドは閉じ大根を保持する.
このようにして保持された大根は,押し込み装置であるエアシリンダで下方へ,強制的に送り込まれる.このようにして送り込まれた大根は,円周方向に沿って多条に設けられたきり刃によって,長手方向に切り溝が入れられる.この切り溝を上手に入れることが,以後のカッターによる皮むきに際して大事なこと.筋を入れた部分は,下部に設置された皮むき用切り刃によって,細状にされ飛散される.つま切り用切り刃は,この切り溝の深さによりさらに少しだけ深く切り込むように設置されているため,その部分で細紐状のつまができ上がる.切込みを深くすると帯状のものになってしまう.
